「建物」の準備から完成まで
支える仕事です。
鳶の仕事は、建設現場で働く建設作業員の中でも
高い場所での作業が多く、
危険を伴う専門性の高い職種です。
また、高所を華麗に動き回る事から「現場の華」
と称されることもあります。
一口に高所作業といっても、担う作業にはいくつか種類や職業があり、多岐に渡ります。
準備工事
仮囲い組立等
工事着工前にいち早く現場に入り、歩行者・周辺住民の安全や環境を確保、工事に影響を及ぼさないよう、工事する敷地と道路・隣接敷地を区画するための仮設の囲いを設置します。
土工事
根切り、山止め、盛り土、埋戻し
建物を建てる際に、必ず必要になる工種が
土工事です。
建物の地下階や建物の基礎を築造し、
地表面より下の構造物をつくるために
土砂等を掘削します。
仮設工事
外部足場組立、内部足場組立、足場解体
建設工事を行う際に設けられる、作業をするために必要な仮設の作業床や通路を組み立てる工事です。
屋根工事や外装工事などを行うために建物外周部に設けられる「外部足場」と、壁・天井などの工事のために建物内部に設けられる「内部足場」などがあります。
外壁などの外装工事完了後は、外部足場の解体を行います。足場の周囲には騒音や粉塵を軽減、塗料などの飛散防止、作業員の安全確保のため、メッシュシートによる養生が行われます。
クレーン組立
高層部への資機材を楊重するための大型のタワークレーンを組立てます。
タワークレーンは地上で移動式クレーンによって組立てられ、その後はマストを継ぎ足し
自力で上昇(クライミング)します。
コンクリート工事
コンクリート打設
打設とは、建築の基礎となるコンクリートを枠の中に流しこむことです。
鉄筋コンクリート造の構築物においては、
型枠の中にコンクリートを流し込み、柱・梁・床などの構造物を作ります。
鳶職人は見習いから始まります。最初は先輩職人の手元や非常に重い資材の運搬、道具の名前を覚えることがメインになります。
地上から何十メートルも高い場所にある足場の上で、重い物を運んだり、時には足場のおぼつかない場所に立って作業をしなければなりません。
地上何メートルも上の足場の上からハンマーやスケールを落としただけでも人の命を奪いかねないため、事故を絶対に起こさないようにと、先輩からの厳しい指導が飛ぶこともよくあります。
見習い期間で心身ともに鍛えていくため、体力面、精神面とも、慣れるまでは少しきつい仕事です。
一人前の職人になって何年か経つと、「職長」というポジションで、建設現場を任されるようになります。
職長は、他の鳶職人を指揮監督する立場であり、工程管理・施工管理・安全管理といった仕事を行います。なお、資格としては職長教育の講習を受講する必要があり、資格を有さない場合は原則として指揮監督権限を認められません。
建築現場で、安全面での配慮を行うとともに、作業手順を考えて計画し、手順通り進むように管理を行う重要な役割を担っています。